講話『認知症を知ろう ~元気で明るく暮らすために~』
開催日: 平成31年2月4日(月) 10時~12時
場 所: 徳島県立総合福祉センター 5階 ホール
講 師: 医療法人 三輝会 稲山病院 リハビリテーション室
理学療法士 民 龍 兵 先生

民先生は、現在、徳島市南田宮町4丁目、医療法人 三輝会 稲山病院で、リハビリテーション室 理学療法士として、患者回復のため、リハビリ業務全般のサポートを行いながら、認知症の予防、認知症患者への対応など日々活動されておられます。
講話内容
『認知症を知ろう ~元気で明るく暮らすために~』

1.認知症の原因を知ろう
●認知症とは…(認知機能が低下又は病気によって障害された状態)
●認知機能と時間の経過(早期治療によって、認知機能の維持、進行を遅らせる)
●認知症高齢者の現状
●認知症の症状(薬や環境調整などで治る可能性がある)
イ、中核症状(記憶障害・判断力の低下・失語・失行・失認・遂行機能障害)
ロ、行動・心理症状(物盗まれ妄想・夜間の徘徊・意欲の低下・幻覚・暴力)
●認知症状の原因となる病気
イ、神経変性疾患(脳細胞がゆっくりと死んでいき、脳が委縮する変性疾患)
*アルツハイマー型認知症・脳血管障害・
ロ、その他の疾患(適正な治療によって、認知症の改善が見込めるものがある)
*内分泌、代謝性中毒性疾患・感染症疾患・腫瘍性疾患・外傷性疾患
●認知症を引き起こす原因
*アルツハイマー病・脳血管性認知症・レビー小体型
●治る可能性のある認知症
*正常圧水頭症・慢性硬膜下血腫・甲状腺疾患・アルコール中毒
●認知症は遺伝する?? …そんなに気にしなくてもよさそうです
●薬の副作用で認知症になる?? …薬自体は適切に処方されていれば問題ないです
●耳が悪いと認知症になる?? …認知症の危険性は高まってしまいます
2.初期症状の見分け方
●物忘れの基準 …覚えるのが苦手・覚えておく事が苦手・思い出す事がさらに苦手
●忘れやすい順序 …①時間・②場所・③人物の順にわからなくなる
●自分で認知症と自覚することは出来る?
…周囲が気づく前から本人は何かおかしいと気が付いています
●性格は変化する?…認知症になると性格が変わると言われるが原因によって違います
*脳の器質的な変化=治りにくい
*環境や薬による原因=調整すれば改善する可能性がある
●自分が・家族が認知症かな?と思ったら まずは相談!
3.認知症との関わり方を知ろう
●認知症の人への対応の心得3つ
・驚かせない ・急がせない ・自尊心を傷つけない
●具体的な対応のポイント8項目
・相手の言葉に耳を傾けてゆっくり対応する
・穏やかに、はっきりした話し方で
・優しい口調で話す
・相手に目線を合わせる
・まずは見守る
・余裕をもって対応する
・声をかけるときは一人で
・後ろから声をかけない
●症状にあった接し方(一度にいろんな話を覚えられない)
・一つの要求の後は、しばらく待つ
・本人に伝わる呼び方や馴染んだ土地の言葉を使う
●認知症でも仕事はできる(高齢で認知症でも働いている方はいます)
●認知症でも役割をもってもらうことが大事(生きがいになる)
4.認知症の予防を知ろう
●予防する薬はあるのか
・今のところ、予防できるような薬は開発されていません
●生活で気を付けることは(脳の活性化を図る)
・快刺激で笑顔に
・コミュニケーションで安心(人との話し合い)
・役割・日課を持とう
・ほめる、ほめられる
●効果的な食事(偏った食事は“脳血管性認知症”になる危険性を高める)
・バランスの良い食事
●脳を活性化させる体操(シナプソロジー)
・摂取カロリーを守る
・塩分・糖分の取りすぎに注意
・間食を控える
・2つのことを同時に行ったり、左右で違う動きをしたりして脳に適度な
刺激を与え活性化を図る体操。できないことを楽しむエクササイズです
認知症について日頃身近に対応されている業務を通して解りやすくお話をして頂き、最後に脳を活性化する体操、声を出しながらのじゃんけん、わざと勝ったり負けたり大いに楽しく盛り上がりました。認知症に対しての身近な問題として理解も深まったことでしょう。口々に良かったね、との声が聴かれました。
今回参加者 238名
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次回映画 31年2月26日(火)
『 箱入り息子の恋 』
皆さんのご参加をお待ちしています。
写真:32期 常陸 記:30期 吉田